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旅の動機
自分のやりたい職業の会社に入社して2年間。会社は楽しく、自分の周り(先輩・上司)には嫌な人は
特別居なく、とても恵まれた環境だったと言えると思う。だから別に会社が嫌だったワケではない。むしろ好きだった。
会社の環境にも、仕事にも慣れた頃、このまま働き続ければ自分はどうなるんだろうと思い描いて見たのだ。
このまま仕事をし、いつか結婚し、そのうち子供が産まれ、子供の成長と共に(多少は)昇進し、
家族と共に幸せに暮らす。そんな感じだろう。もしかしたら結婚出来ないかもしれないし、
子供が産まれないかもしれないし、昇進出来ないかもしれないし、幸せじゃねーかもしれないなどなど、
まぁ色々な事があるだろうが多分、ごく普通の人生になる気がする。
確かにその「ごく普通」ってのが一番幸せなのかなとか思うのだけど、正直言って自分はそんな普通の人生は嫌だ。
人生をもっと楽しまなければダメだ。世間体や他人の目なんか気にしてはダメだ。常識の枠に入っていてはダメだ。
やりたいことをやらなければダメだなんだ。と思い、人生を揺さぶる為に会社を辞め、旅に出る事にしたのだ。
実を言うと最初の旅の目的は日本一周ではなく屋久島に行く事だった。雄大な自然の景色を見るのが大好きな自分は、
自然の宝庫である屋久島で、屋久島の自然や、屋久杉や、縄文杉をこの目で見たいが為に、去年(2001年)の夏、
会社を一ヶ月位無理やり休んで自転車で行くつもりだった。しかし行けなかった。
「仕事が忙しいから仕方ない」という自分への薄っぺらな言い訳の裏には自分の行動力の無さと、
会社の許可無く一ヶ月休むのが怖かったという弱さがあった。行かなかったのでは無く
行けなかったのだ。自分の意志の弱さを暫く責めつづけていた時もあった。それでも
自転車で屋久島に行きたいという気持ちは変わらなく、それどころかその気持ちは日に日に
大きくなっていった。そして遂に日本一周という目標になったのだ。
なぜ自転車なのか?
車の免許は持ってるし、原チャリも乗れる。確かに車や原チャリで
旅をするのは楽に早くする事が出来る。しかし、別に楽したいワケでもなく、早く終えたいワケでもない。
むしろ、苦労してゆっくり行きたい。苦労すればする程充実感があり、自分の足で成し遂げたんだという達成感があるからだ。
それにゆっくり時間を掛けて旅をすると車やバイクでは気づかない小さな発見や感動を見つける事が出来ると思う。それに長い間一人旅をしていると
自分と向き合う機会が多くあると思う。自分とはどんな人間なのか。
なぜ会社を辞めてまで今、日本一周をやっているのか。本当にこの旅に出て良かったのか。
今後どんな生き方をすべき(したい)か などなど。また、自分の弱い部分も際立って見えて来る事もあると思う。
楽をしたくなったり、嫌になったり、妥協したくなったり、怠けたくなったり、寂しくなったり、不安になったり、怖くなったり。
これらの事に逃げずに向かい合い自分なりの答えを出したり、負けずに乗り越える事が出来れば自分という人間や、精神等が一回りも二回りも成長出来ると信じている。
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