日記の更新を終え、ラジオ片手にテントの掃除をしていると、管理棟から、サッカー始まったよ。 一緒に見んかね？と誘われた。とても嬉しい誘いだ。やはり、音声よりも映像が無いと臨場感が湧かない。 お言葉に甘えて一緒に見させてもらった。出されたお茶やコーヒーを飲みながら、キャンプ場の管理人さん や、守衛のおじさんの３人で「危ない！」「おしぃー！」「うわぁー」等と声を上げながら観戦する。 結局試合は２対０で日本の勝ち。「いんやー、よがったなー。」とお互い喜びを噛みしめ、 守衛さん以外は帰っていった。自分もテントに戻った。
１９時頃シャワーを浴びる。えらく景気の悪いシャワーで、水量が少ない。シャワーのように、シャーと出ないで 打たせ湯の様にドボドボーと真下に向かって水が落ちるようだ。シャワーの吹き出し口は、壁に 固定されているので湯を浴びたければ壁にへばりつくようにしないとならない。まぁ１０５円なので文句は言えない。 シャワーがあっただけでも有り難いことなんだから。
シャワーを浴び終え、前に買った日本酒とお昼の残りの焼き魚を片手にテントに籠もる。「走行距離１０００キロを 祝してお祝い」と無理矢理理由を付けて酒を飲む。やっぱり一人酒は美味しくない。３２０ｍｌの瓶の酒だが、 半分も飲まなかった。
その日の夜、凄い風と雷で、目が覚めた。時間は２３時頃。まだ雨は降ってないけど豪雨になったら嫌だなという不安でなかなか寝付けない。 時間が経つにつれ、雷が近づいてくる。一端ふっと眠ったが、何故か半分眠ってボーっとしたのに 突然こりゃ降って来るぞと直感した。飛び起きてテントのポールを抜き去り、シュラフやマット等が入ったまま のテントを巨大巾着のようにして、炊事場に移動させた。移動させて３分後思った通り雨が降ってきた。 その雨はどんどん強くなり、まさに豪雨。ラジオのボリュームを最大にしても屋根に当たる雨の音で全く聞こえない 程だ。雷も凄い。いやー移動して本当に良かった。雨が降ってから移動していたんじゃずぶ濡れだ。全く身動き 出来ない状態になっていただろう。直感をこれ程感謝した事はない。直感では無く、誰かが夢の中で教えてくれたんじゃないのかとさえ思った。 しかし凄い雨だ。うるさくて眠れない・・・というか、怖くて心細くて眠れない。いい年してこんな事を言うのも情けないが、 夜中に、テントサイトに独り。豪雨と雷で身動き出来ない状況になると凄く心細い気持ちになる。 幸い、炊事場はプレバブの小屋のようになっていて、窓を閉めればどんな強い風でも雨が吹き込んで来る事はない。 電気もつく。あまりに心細かったので電気を付け、その日買ったココアを飲むことにした。暖かく甘い物を口にしたい という気持ちになる。コンロに日を付けた瞬間、停電。うおぉーあぶねぇー。真っ暗闇になる所だった。コンロの火の明かり を頼りにヘッドライトを探す。ヘッドライトを見つける前に電気が復帰した。ホッと一安心。暖かく甘いココアを飲んだら 気持ちが落ち着き、直ぐ眠る事が出来た。
朝５：３０起床。昨日のことがあってか少し眠い。天気は曇り。天気予報によると、一時雨が降るらしい。今日はここのキャンプ場に連泊する事に 決めた。キャンプ場の管理人さんと、昨日は凄かったですねーと、話をすると、今日は理事長が居ないので内緒で昨日のお金でバンガローに泊めてくれるとの事。 ありがたい。これで雨を心配しないで済む。
今日は自転車でこのキャンプ場付近を観光する事にした。雨も降るかもしれないので、雨具を用意して出発。 まずは近くのベンセ湿原へ。ニッコーキスゲが咲いていてとても綺麗だ。次に埋没林へ。２万５千年前の埋没林が 泥炭層に埋まっている場所だ。世界でも最大規模の場所だそうだ。行ってみるとたしかに、木が埋まっている。 これが２万５千年前の物なのか。と漠然と思う。次に、亀ヶ岡石器時代遺跡跡に行く。 巨大な土偶のモニュメントがあり、それを写真で撮した。
時刻は１２時を過ぎたので、昨日のスーパーへ行き、今日の昼と夜、明日の朝の食材を買う。 キャンプ場に戻って早速調理。きょうの昼ご飯は、鳥もも肉のミネストローネだ。名前はたいそうだが、別に何て事無い。買ってきた鳥もも肉を、レトルトのミネストローネ というトマトベースのスープで 煮込むだけだ。ただ、３０分以上煮込むから、ガス使い放題の今だから出来る料理だ。 作ったことのある言いぶりだが、始めて作る料理だ。っていうか、スーパーで思いついた料理。 こんな感じ。
彩りなく、真っ赤っかだが、なかなか美味しかった。 夕飯と明日の朝食は買ってきたサンマの焼き魚の予定。
明日は天気は悪くなさそうなので、竜飛崎を目指そうと思う。坂と風がキツそうだが、頑張ろう。 ちなみに、天気が悪かったら連泊だ。
気付けば北海道までもう少しだ。早く行きたいが、焦らず行こうと思う。
